【日本の文化】うどんとそばにまつわる話

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「うどん」と「そば」の登場

 関東のそば好き、関西のうどん好きは、いつ頃はじまったのでしょう。登場が早いのはうどんで、室町時代には現在と同様のものがありました。そばは江戸時代に登場します。この頃のめん類の店の看板は、うどんそば切りと書いてありました。

 うどんが先に書かれており、めん類の評判としてはうどんの方が上だったのでしょう。これは、関東関西を問わず同様の傾向でした。ちなみに江戸時代にそばは、そば切りと呼ばれていました。

 ところが、江戸時代も中期になると、江戸ではそば切りうどんと看板に書かれ、立場が逆転します。そばの方が優勢な状況です。一方、関西では依然としてうどんが優位で、ここに関東のそば好き、関西のうどん好きという食文化が形成されました。なお、当時は、そばとうどんの異称としてけんどんそば切り、けんどんうどんと呼ばれ、めん類のお店はけんどん屋として親しまれています。

「たぬき」と「きつね」

 そばやうどんのメニューである「たぬき」は、東京と大阪、京都では姿かたちが異なります。東京ではたぬきというと、揚げ玉入りのそば、あるいはうどんです。

 ところが、大阪では油揚げ入りのそばです。東京で油揚げ入りはきつねです。京都でたぬきを注文すると、あんかけのそば、もしくはうどんが出てきます。

 東京のたぬきの理由ははっきりしており、元々は種抜き、つまり種である具材が入っていない揚げ玉をのせているからです。ところが、大阪も京都もなぜ油揚げをのせているのか、あんかけになるのか、由来が定かではありません。

「ざる」と「もり」の違い

 「ざる」は、海苔がかけてあるのに対して、「もり」は、海苔がかかっておらず、それでいて、その価格差は単に海苔の値段なのでしょうか。

 どうやら、真実は単に海苔のありなしだけではないようです。そばが、「ざる」と「もり」に分かれたのは、明治時代の初期です。当時の差異としては、「ざる」にはわさびが付き、そばの量が多めだったことです。「もり」のせいろは、横長の形でしたが、「ざる」のせいろは、量が多く入るように、丸か四角でした。

 ところが、現在では量の差こそなくなりましたが、海苔だけでなく、代わりにさまざまな差が付けられています。つけ汁も異なります。「もり」は、だしにかえしを加えたものですが、「ざる」は、さらにみりんなどを加えてコクを付与しています。つまり、味が異なるのです。店によっては、そば自体が違うこともあります。粉の質が高い方を「ざる」に用いたり、太めのそばを「ざる」に使ったりします。

 しかし、このような違いを行っている店は、むしろ良心的で、単に海苔をかけただけという店も少なくないようです。

※お試しとその行動から得られる納得感

 最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。

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そばの美しい食べ方

 そばを粋に食べるには、どうすればいいのでしょうか。

 そばを食べるときは、姿勢正しく座り、めんを背筋に沿ってまっすぐにすするのはいいそうです。確かにこうすると、見た目にも、いかにも美味しそうです。そばに限ったことではありませんが、間違っても、背中を丸めて食べたり、猪口を置いたまま口を近づけて食べてはいけません。

 そばを美しく食べるには、一度に箸でとる量に気を付けることです。古くから、うどん3本、そば6本といいます。少なすぎるのもさみしいし、多すぎるのは品がありません。また、箸をつけるのは、せいろの中央からです。つけ汁は、そば全体にからめるのではなく、先端につけます。先端といっても、つける範囲は個人でさまざまです。しかし、心したいのは、つけ汁でそば自体の淡い香りやほのかな甘みを消さない程度です。

 つけ汁につけ、そのまま口に持っていき、一気にそばをすすり込みます。すすり込むときは、誰はばかることなく音を立てるのも、そばの正しい作法です。

うどんに合う意外な薬味

 そばの薬味のわさびをつけ汁とそばのどちらにつけますか。つけ汁に溶く人が多いかもしれませんが、そばに添える人もいます。わさびをつけ汁に溶くと味が変わってしまう上に、わさびの香りや辛味が十分に楽しめなくなるからというのが理由です。
 しかし、食欲の増進や味わいを高めるなど、薬味としての効果を考えると大きな差はなく、好きな方法で構いません。
 では、うどんの薬味は何でしょうか。普段は、一味唐辛子や七味唐辛子を使いますが、意外にも胡椒が最適という話もあります。確かにうどんに胡椒をかけてみたら、意外に合います。胡椒のすっきりとした刺激が、うどんの味を引き立たせます。
 そのほかに柚子胡椒もおすすめです。

まとめ

 関東のそば好き、関西のうどん好きは、いつ頃はじまったのでしょう。登場が早いのはうどんで、室町時代には現在と同様のものがありました。そばは江戸時代に登場します。

 そばやうどんのメニューである「たぬき」は、東京では揚げ玉入りのそば、あるいはうどんです。大阪では油揚げ入りのそば、京都ではあんかけのそば、もしくはうどんが出てきます。

 「ざる」と「もり」の違いは、海苔のありなしだけでなく、だし汁や粉質に差をつけていることもあります。

 そばを美しく食べるには、一度に箸でとる量に気を付けることです。つけ汁は、そば全体にからめるのではなく、先端につけます。つけ汁につけ、そのまま口に持っていき、音を立てて一気にそばをすすり込みます。

 うどんの薬味としては、一味唐辛子や七味唐辛子だけでなく、胡椒や柚子胡椒もよく合います。

※お試しとその行動から得られる納得感

 最近は味や香り、食感を実感してもらうために、普段よりもリーズナブルにお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。

 熟練した職人が丹精こめて打ち上げる「雪村そば」

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