正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退、消失することで、日常生活が営めない状態を認知症と言います。記憶障害と知的障害の損失として定義されている疾患で、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つに分けられます。
認知症の予防に大切なことは、脳の健康を維持することです。すなわち、生活習慣病の改善及び食事からの老化予防です。食事の基本は、バランスの良い食事を心がけること、摂取カロリーに配慮すること、塩分の摂取を控えること、糖質の摂取を控えることです。
認知症の予防になる食べ物として、オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAを多く含む青魚、葉酸を多く含む緑黄色野菜、豆類、果実、クルクミンを含むカレー、抗酸化作用のあるポリフェノールを含むコーヒー、赤ワイン、テアニンを含む緑茶などが報告されています。
そのほかに調理をすることは、頭や体を使うことにつながります。脳の活性化を誘起する可能性もあると言われ、認知症予防にも効果があると期待されています。
認知症
正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退、消失することで、日常生活が営めない状態を認知症と言います。
記憶障害と知的障害の損失として定義されている疾患で、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つに分けられます。
脳血管性認知症は、脳梗塞後に発生しやすいと考えられている認知症のため多発梗塞性認知症とも呼ばれています。そのため、予防方法の基本は脳血管疾患の食事と共通しています。
認知症予防のための食事
認知症の予防に大切なことは、脳の健康を維持することです。生活習慣病の改善及び食事からの老化予防です。
・バランスの良い食事を心がけること
糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをはじめとした栄養バランスの良い食事をすることは、脳に必要な栄養素となる青魚に多く含まれるEPA、DHAなどのオメガ3系脂肪酸、葉酸、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ミネラルを補うことにつながります。
地中海食はパンやパスタなどの穀類、野菜、果物、オリーブ油、魚などを主体として、肉類の摂取が比較的少ないのが特徴で、脂質異常症、糖尿病、高血圧の予防になるとされ、アルツハイマー型認知症のリスクを抑える効果も期待されています。
・摂取カロリーに配慮すること
摂取カロリーに気をつけることで、肥満を予防することができます。肥満は、アルツハイマー型認知症を招くだけでなく、内臓脂肪の蓄積によって高血圧、糖尿病などを引き起こします。
・塩分の摂取を控えること
脳血管性認知症は脳梗塞と関連性があり、脳梗塞の背景には高血圧が存在している場合が多く見受けられます。高血圧予防のために塩分の摂取を減らし、血液中のナトリウムを排泄する働きのあるカリウムを多く含む野菜、果物、海藻類を摂取します。脳梗塞を予防することで、脳血管性認知症の予防につながります。
・糖質の摂取を控えること
糖尿病などは脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることになります。血糖値をコントロールするためには、甘いお菓子、菓子パンなど糖質中心の食事を控えます。食物繊維は、野菜、きのこ、海藻などの多く含まれ、摂取することで、血糖値の上昇を抑えてくれます。
認知症の予防となる食べ物
認知症の予防になる食べ物として、青魚にはオメガ3系脂肪酸のEPA、DHAが多く含まれています。DHAは、脳の構成成分のひとつで、記憶力や判断力の向上、認知症予防、なかでもアルツハイマー型認知症の発症予防に効果があるといった報告があります。EPAは脳まで届くことはありませんが、血管を拡張して血行を促進することで、生活習慣病の予防となります。生活習慣病を予防することで、認知症の予防に役立ちます。
特にサバ、アジ、イワシ、サンマなどの青魚には、オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAが多く含まれています。
認知症の予防になる食べ物として、緑黄色野菜、豆類、果実は葉酸を多く含んでいます。緑黄色野菜ではホウレンソウ、小松菜、菜の花、豆類では納豆、枝豆、果実ではイチゴ、キウイ、オレンジに葉酸が多く含まれています。葉酸はビタミンB群の1種で、不足すると肝臓でつくられるホモシステインという物質が増加します。ホモシステインは、動脈硬化を進行させるほか、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβの作用を強めることになります。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され、排出されます。しかし、正常なアミロイドβよりも大きく異常なたんぱく質ができてしまうと、排出されずに蓄積してしまいます。アミロイドβは、認知症を発症する20年も前から脳に溜まり始めていると言われ、蓄積したアミロイドβは、脳細胞を死滅させると考えられています。アミロイドβは血管の壁に沈着することもあり、脳出血の原因となることもあります。
葉酸を摂取する事で、ホモシテインを減らすことができ、認知症予防が期待できます。
カレーに含まれるクルクミンは、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが脳内にたまる速度を抑えるほか、できてしまった老人班の分解を促すことが報告されています。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、ポリフェノールの1種で抗酸化作用を持っています。
緑茶に多く含まれるテアニンには、血圧上昇を抑制し、脳の神経細胞を保護する働きもあることから、認知機能の低下を抑える作用があると言われています。
少量の飲酒は、認知症の予防になる可能性があります。赤ワインに含まれるポリフェノールには、強力な抗酸化作用があり、老化、動脈硬化、高血圧、認知症の予防が期待されます。1日250~500mlのワインの飲用は、アルツハイマー型認知症の発症を抑えるという報告があります。
そのほかに調理をすることは、頭や体を使うことにつながります。脳の活性化を誘起する可能性もあると言われ、認知症予防にも効果があると期待されています。
認知症のリスクを高める恐れのある食べ物
動物性の油脂で飽和脂肪酸が多く含まれるもの、ショートニングやマーガリンといったトランス脂肪酸が含まれるものの過剰摂取は、血中のLDLコレステロールを増やし、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が起こることに伴い、脳梗塞が発症しやすくなります。
特にファストフード、お菓子、菓子パンなどを中心とした食事になるとトランス脂肪酸の摂取量が増えます。これらの食品の過剰な摂取は控え、適度な摂取にとどめます。
まとめ
正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退、消失することで、日常生活が営めない状態を認知症と言います。記憶障害と知的障害の損失として定義されている疾患で、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つに分けられます。
認知症の予防に大切なことは、脳の健康を維持することです。すなわち、生活習慣病の改善及び食事からの老化予防です。食事の基本は、バランスの良い食事を心がけること、摂取カロリーに配慮すること、塩分の摂取を控えること、糖質の摂取を控えることです。
認知症の予防になる食べ物として、オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAを多く含む青魚、葉酸を多く含む緑黄色野菜、豆類、果実、クルクミンを含むカレー、抗酸化作用のあるポリフェノールを含むコーヒー、赤ワイン、テアニンを含む緑茶などが報告されています。
そのほかに調理をすることは、頭や体を使うことにつながります。脳の活性化を誘起する可能性もあると言われ、認知症予防にも効果があると期待されています。