ある調査研究による健康食品への不満ランキング
ある調査研究によると健康食品に対して、消費者がどのような不満を感じているかが明らかとなっています。
健康食品に対する消費者のリアルな不満ランキングです。
1位 効果の不満
健康食品に対する不満で最も多かったのが、効果についてです。健康食品をあてにしているが、実際に効果を感じることができずに不信感を募らせていることが多いです。消費者としては、企業の販促効果もあって期待はとても高いことがうかがえます。
2位 販促の不満
年齢を重ねるごとに体内のある成分が少なくなるとか、体内では作れないからと不安を煽るような宣伝文句に踊らされ、恐怖心もともなって、初回半額をきっかけになかば強制的に継続購入しているようです。あれもこれも買っていたら、毎月それなりの金額になります。また、表現が制限されていることもあり、どういう効果があるかなど必要な情報が少なく、「効果には個人差があります」の表記が小さすぎて、誰も気づかないことにも不満をつのらせています。
3位 企業への要望
風邪をひきにくくなる健康食品を販売して欲しい、肌が弱いので肌が強くなるような健康食品を開発してほしい、白髪が黒くなる健康食品を開発してほしい、青汁やコラーゲンの入った食べやすく美味しいものを開発してほしい、骨が若返る、声が若返る、元気が出る健康食品を販売してほしいなど不満ではなくさまざまな要望があります。
4位 味やにおい、形状の不満
毎日の継続的な摂取を妨げているのは、味やにおい、形状です。大きすぎて健康食品を飲み込むことが難しい子供や高齢者にも配慮した形状が望まれます。また、成分を重視するあまり苦味が強いこと、あるプラセンタドリンクやあるコラーゲンドリンクのように、においがきつく飲む気力が失われることもあります。ただ、味やにおいをカバーするために糖によるコーティングや甘味料、香料を過剰に盛り込むと、本末転倒となってしまうこともあります。せめて錠剤タイプから粉末タイプにすることで、大きさや形状による飲みやすさは解消され、飲料などに混ぜて摂取することができるようになります。
5位 価格の不満
圧倒的に多いのは価格が高いことです。継続的に購入したい一方、安くはない健康食品を続けるのは経済的に無理というのが本音のようです。体のあちこちに不調が出てくる中高年は、健康食品への期待は高いものの、あれこれと不調に合わせて購入するのは、現実的ではありません。そのため、効果を得られない場合の返金保証や毎日続けられるように安く販売してほしい、気に入っており家族も使うため大容量のお買い得品を出してほしいといった要望があります。
6位 身体への安全性の不満
健康食品の安全性に疑問を感じる方は多く、健康食品を摂取したことで返って不調になったという声も散見されます。美容ドリンクや健康食品は原材料の安全性がわからない、健康食品は成分表示だけでなく原材料の産地や残留農薬についても開示して欲しいなどの声があがっています。
7位 表示や容器の不満
健康食品を効果的に摂取する方法、何がどう体に良いのか、1回の摂取量などの情報が分かりにくく、明解な表示が求められています。ボトルに入っている健康食品はどれも似ているため一目見ただけで確認ができること、健康食品を飲んでいる途中でなんのために飲んでいるのかわからなくなること、いつどのタイミングで何錠ずつ飲めばいいのか不明確といった意見があります。
8位 選び方に悩む不満
健康食品の市場にさまざまな製品や情報があまりにも多いことから、購入の躊躇や継続購入の障壁となっています。売れ筋のランキングだけでなく、健康食品の品質を判断できる基準や、適したものをすすめてくれる方法や専門家の意見を聞きたいという要望があがっています。実際の声としては、健康食品を飲みたいけれど、種類が多く安全性も不明で、適量がどれくらいかわからず、結局飲むことができません。そのため、インターネットの不確かな情報を頼りにするしかない状況です。
健康食品への不満は期待の裏返し
健康食品は、業界内で競合がひしめき合う状況となっており、他社にはない新たな機能性成分を探し求めること、他社の製品よりも有効な成分を1つでも多く配合すること、認知度の高まりつつある成分に他社よりも多くのプロモーション戦略を展開し、他社からシェアを奪うことしか考えていないかもしれません。つまり、競合のことばかりを考え、本質となる悩みを抱える消費者に、「悩みを解決するために何が」、「どのような効果があって」、「どれくらいの量で」、「いつ摂取すれば」、「どんな悩みが解決するか」を説明あるいは提案することを忘れているかもしれません。表示を含め規制はありますが、可能な限り分かりやすく伝えることが重要であり、伝わらなければ何の意味もありません。
不満がたくさんあるということは、消費者が健康食品に期待を寄せていることの証左でもあります。
業界としても、最初からできないと決めつける前に、不満や要望から新たな切り口を模索し、表示や容器も含めた改良や新製品の提案などをとおして、少しずつでも消費者から支持を得ることが、業界の発展、そしてなによりも消費者が健康に対する悩みの改善から生まれる豊かなライフスタイルを実現できます。
まとめ
ある調査研究によると健康食品に対して、消費者がどのような不満を感じているかが明らかとなっています。健康食品に対する不満で最も多かったのが、効果についてです。健康食品をあてにしているが、実際に効果を感じることができずに不信感を募らせていることが多いです。また、年齢を重ねるごとに体内のある成分が少なくなるとか、体内では作れないからと不安を煽るような宣伝文句に踊らされ、恐怖心もともなって、初回半額をきっかけになかば強制的に継続購入しているようです。さらに味やにおい、形状への配慮、継続的に購入するための価格設定、安全性、用法などが続きます。
業界としても、競合他社の動向にとらわれることなく、本質である消費者の健康に対する悩みの改善とそこから生まれる豊かなライフスタイルの実現について、改めて考える時期に差し掛かっているのではないでしょうか。