食品添加物とは
食品添加物ってどのようなものか知っていますか?食品添加物は十分に調査され、適切に使用すれば、安全性が確認されております。食品メーカーは、以下の目的で使用しています。
・食品を長持ちさせる
・形を良くする
・色や香りを付与する
・味や舌ざわりを良くする
食品添加物に指定されている化学物質としては、化学合成物と天然由来の物質が用いられ、使ってもよい食品添加物は、国で定められています。
食品添加物の例として、魚や肉の加工食品を生のものより長持ちさせる「保存料」などが挙げられます。菌やカビの発生を防ぎ、食品を長く保つことなどにも、役に立っています。食品添加物を使用しないと製造できない食品の例は豆腐です。「にがり」という食品添加物を使わないと、固まりません。ハムの赤い色、飲み物の香り、たれやソースのとろみなど食品のおいしさを作りだすために、食品添加物は使用する量は少ないのですが、なくてはならないものなのです。食品の酸化を防ぐために添加される「ビタミンC」も食品添加物に含まれます。そのままでは、空気中の酸素によって徐々に酸化が進み品質が劣化してしまうので、酸化防止の目的で「ビタミンC」を添加することは、品質と安全性を保つために大きな役割を果たしています。誰も「ビタミンC」が食品添加物だからといって、不健康なイメージは持っていません。アミノ酸もうま味を呈すグルタミン酸ナトリウムをはじめとして食品添加物に該当します。
少々話がそれますが、日々食品から摂取している食塩は食品添加物ではありません。しかし、だから安全だという訳ではありません。厚生労働省が生活習慣病を予防する目的で掲げた食塩摂取の目標量は、1日あたり男性8グラム未満、女性7グラム未満です。ゾッとしますが、食塩による致死量は、体重60㎏の大人だと食塩30gほど、子供の場合は体重10㎏で5gほどです。目安として、体重1Kgあたり、塩は0.5~1gが致死量となります。食品添加物でなくとも、適正な量を大きく越えることで、死に至るリスクがあるのです。
このように適正な量を守ることで、食品添加物は私たちの食生活を豊かにしてくれますが、一方で食品添加物ではなくとも、過度に摂取すると体に害が及びます。
食品添加物を正しく知ることで、安心して食品を味わいましょう。
食品添加物の安全性の基準
もちろん食品添加物も多く使い過ぎると健康に害を及ぼすことがあります。新しい食品添加物を使う場合、メーカーは厚生労働大臣に申請します。厚生労働大臣は、食品安全委員会が行うリスク評価を受けて、使用基準を設定し、食品添加物として指定します。 食品安全委員会では、動物又は人での安全性試験の結果に基づいて無毒性量(NOAEL)を求めます。原則として、推定一日摂取量と、各試験の無毒性量のうちで最も低い無毒性量を比較し、一日摂取許容量(ADI)を特定することが必要であるかどうかを検討し、必要な場合は、ADI を設定します。厚生労働大臣は、使用が認められた食品添加物について、国民一人あたりの摂取量を調査して、ADIの範囲内であることを確認しています。
・無毒性量(NOAEL)
ある物質について、動物又は人に有害な影響が認められない最大量。
・一日摂取許容量(ADI)
人が毎日一生涯にわたって摂取しても、健康への悪影響がない 1 日あたりの摂取量。通常、体重 1kg あたりの物質量で示される(○mg/kg 体重 / 日)。
食品添加物の種類
使用できる食品添加物は食品衛生法で定められています。指定添加物、既存添加物、一般飲食物添加物、天然香料の種類があります。
・指定添加物(449 品目:平成 27 年 9 月現在)
リスク評価を行った上で指定されるもので、甘味料(アスパルテーム、キシリトールなど)、着色料(βカロテン、赤色 40 号など)、保存料(ソルビン酸など)、酸化防止剤(ビタミン C など)などがあります。
・既存添加物(365 品目:平成 26 年 1 月現在)
以前から日本で広く使用されており、長い食経験があるもので、にがり、カラメルなどがあります。
・一般飲食物添加物(約 100 品目)
一般の食品を、食品添加物として使用されるもので、いちご果汁や寒天などがあります。
・天然香料(約 600 品目) 動植物から得られる天然物質で、食品に香りをつける目的で使用されるバニラ、ガーリック、ジンジャー、オニオンなどがあります。水蒸気蒸留法などを用いて香りを回収します。
まとめ
食品添加物は、安全性試験の結果にもとづき使用基準が設定され、基準内での安全性が確認されています。一方で食塩のような食品添加物には該当しない成分も、度を越えて摂取すると体に害が及び、最悪の場合は死に至ります。食品添加物を正しく知ることで、安心して食品を楽しみましょう。