フードバンクとは、品質には問題がないにもかかわらず廃棄される食品を、必要としている施設や世帯などに無償で配布する団体及びその活動のことです。フードバンクを活用することで、受益者だけではなく、企業や行政にも利点があります。受益者の利点は、食費を節約できることです。企業の利点としては、廃棄コストを削減できます。食品によって異なりますが、廃棄するために発生する費用はばかになりません。また、この活動は企業の社会的責任(CSR)を果たす社会貢献活動の一環とみなすことができます。行政としては、食品ロスの削減となります。食べ残しなどによる食品廃棄の抑制を目指している行政にとって、食品廃棄物のリデュース、つまり、発生の抑制にあたり、環境負荷の低減が期待されます。
フードドライブとは、家庭などで食べきれずに余っている食品を持ち寄り、福祉施設やフードバンクに寄付する活動のことです。
フードパントリーとは、さまざまな理由で生活に困っている人々に、食品などを無償で配布する福祉活動です。公民館、NPO事務所などを拠点として活用し、支給対象者、支給量、支給日などを決めて提供します。
フードバンク
フードバンクとは、安全に食べられるにもかかわらず、包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、流通に出すことができない食品を企業などが寄付し、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する団体及びその活動です。フードバンクは、余っている食べ物を持っている支援者と、食べ物を必要としている受益者をつなぐ役割を果たします。
フードバンクには、扱える食品と扱えない食品があり、主に加工食品の場合では、賞味期限が1ヶ月以上のものを引き受けています。フードバンクでは、食べ物を右から左へ横流しするのではなく、必要なものを必要な数だけ、必要なところへ渡します。賞味期限が1ヶ月以上あることで、賞味期限内にきちんと消費されます。なお、生鮮食品はこの限りではありません。
フードバンクを活用することで、受益者だけではなく、企業や行政にも利点があります。
受益者の利点は、食費を節約できることです。フードバンクが、福祉施設や団体に対し、食品を通して支援することで、余った予算を施設や団体のほかの活動に回すことができます。児童養護施設では、本、遊具、教材などを補填することで、児童へ還元するといった事例が報告されています。ある母子支援施設では、食費をおおよそ40%削減することに成功しました。食品を受け取る施設では、食材購入の際、予算内におさめる必要があります。そのため、企業が寄付する高級アイスクリーム、高級ゼリー、高級調味料などを届けることで、とても喜ばれるようです。いつもと異なった食体験によって、利用者が食に対する楽しみや喜びを味わうことに繋がります。ある自立援助施設では、お金がなく、当初おやつをほとんど出せませんでした。その後フードバンクから食品の提供を受けることで、食事をお腹いっぱい食べさせ、おやつをきちんと与えられるようになりました。
企業の利点としては、廃棄コストを削減できます。食品によって異なりますが、廃棄するために発生する費用はばかになりません。廃棄コストはKg単位で100円以上かかり、リサイクル、リユースでは分別の手間などもあることから、送料だけで済むフードバンクの活動は、ありがたい存在となっています。フードバンクへ寄付した企業の中には、廃棄にかかる費用を数百万円単位で節約できることもあります。また、この活動は、企業の社会的責任(CSR)を果たす社会貢献活動の一環とみなすことができます。さらにフードバンクを通じて、製品が配られることで、潜在的な顧客の掘り起こしも可能となります。
行政としては、食品ロスの削減となります。食べ残しなどによる食品廃棄の抑制を目指している行政にとって、食品廃棄物のリデュース、つまり、発生の抑制にあたり、環境負荷の低減が期待されます。また、各自治体が保有している賞味期限の迫った備蓄食料を入れ替える際にも、廃棄せず支援に回せば、行政自身で食品廃棄物のリデュースを実現できます。
2020年7月に厚生労働省が発表した2019年国民生活基礎調査によると、前回の2015年の調査よりも0.4%改善していますが、おおよそ7人に1人の子どもが貧困状態にあります。世帯主が18歳以上65歳未満の子どもがいる現役世帯の世帯員の子どもの貧困率は12.6%で、このうち大人が1人のひとり親世帯では48.1%と、前回調査時の50.8%から2.7%改善していますが、依然としてほぼ半数が貧困状態にあります。大人2人以上の世帯員では前回と同じ10.7%でした。2018年の貧困線、つまり等可処分所得の中央値の半分は127万円です。貧困線に満たない世帯員の割合を示す相対的貧困率は15.4%で、2015年の15.7%より0.3%改善しています。生活意識別の世帯数の構成割合をみると、苦しいと回答したのは54.4%で、2018年よりも3.3%減少しています。しかし、児童のいる世帯では60.4%が苦しいと回答しています。母子世帯では、苦しいという回答は86.7%にのぼります。なお、国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画や立案に必要な基礎資料を得ることが目的です。1986年を初年として、3年ごとに大規模な調査、中間の各年に簡易な調査を実施しており、2019年は12回目の大規模調査です。このような世帯をはじめ、生活保護受給者や生活困窮者などが食料支援によって満足に食べることが保障されれば、就労支援につながる可能性も生じます。
フードドライブ
フードドライブとは、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめてフードバンクや福祉施設などに寄付する活動です。
日本では、あまりなじみの薄い言葉ですが、フードバンク発祥の地であるアメリカでは1960年代から盛んに行われているようです。
フードバンクに集められた食品は、福祉施設や経済的に困窮している世帯などさまざまな理由で、食事に不自由している人々への支援に活用されています。
家庭から集まった食品によって、食事に不自由している人々が、食べる喜びや社会とのつながり、安心感を得られることができます。たったひとつの食品でも、空腹を満たす以上の効果があります。
フードパントリー
フードパントリーとは、さまざまな理由で生活に困っている人々に、食品などを無償で配布する福祉活動です。
それぞれの地域で、公民館、NPO事務所、会社事務所、法律事務所などを拠点として活用し、食事に不自由している人々に提供します。
それぞれのフードパントリーでは、支給対象者、支給量、支給日などを決めて、食事に不自由な人々に無償で食品などを配布しています。
まとめ
フードバンクとは、品質には問題がないにもかかわらず廃棄される食品を、必要としている施設や世帯などに無償で配布する団体及びその活動のことです。フードバンクを活用することで、受益者だけではなく、企業や行政にも利点があります。受益者の利点は、食費を節約できることです。企業の利点としては、廃棄コストを削減できます。食品によって異なりますが、廃棄するために発生する費用はばかになりません。また、この活動は企業の社会的責任(CSR)を果たす社会貢献活動の一環とみなすことができます。行政としては、食品ロスの削減となります。食べ残しなどによる食品廃棄の抑制を目指している行政にとって、食品廃棄物のリデュース、つまり、発生の抑制にあたり、環境負荷の低減が期待されます。
フードドライブとは、家庭などで食べきれずに余っている食品を持ち寄り、福祉施設やフードバンクに寄付する活動のことです。
フードパントリーとは、さまざまな理由で生活に困っている人々に、食品などを無償で配布する福祉活動です。公民館、NPO事務所などを拠点として活用し、支給対象者、支給量、支給日などを決めて提供します。