ハチミツ
ハチミツは人類の誕生以前から存在したといわれ、人類最古の甘味料です。古代エジプトや中国でも、貴重な甘味料であると同時に薬効のある食品として用いられていました。
ハチミツは、ミツバチのはたらきバチが集めた花のミツにハチの体内の酵素が作用し、熟成させたものです。人が食べる食品としてのハチミツは、これを低温でろ過したものです。花の種類によって、色や香り、成分が異なりますが、透き通った飴色で、自然で穏やかな甘味を有しています。ハチがミツを採取する花は、レンゲやミカン、クローバー、菜の花、ニセアカシア、リンゴ、そば、栗などです。
ハチミツの主成分は果糖とぶどう糖で、どちらもこれ以上分解されない単糖のため、消化吸収が良く、胃腸に負担をかけずに疲労回復ができます。たんぱく質やビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンE、カリウム、鉄、リン、カルシウム、マグネシウム、マンガンなど数多くの成分を含みます。古くから、防腐や鎮静、解熱の目的で使われてきました。
ハチミツは、ジュースなど飲み物に加えることやレモン、リンゴ、パイナップル、梅などと漬け込んで果物の成分を浸出させて飲むと成分が有効に活用できます。民間療法では、ハチミツに刻んだ大根やショウガを加えて、成分が浸出するまで保管したものが、風邪薬として使用されていました。外用薬として、荒れた皮膚に塗ったりする用法もあります。
ハチミツには、緩和作用があり、慢性腸炎を患っている人には向いていません。冬季や低温の場所に置いた場合、白く結晶化することがありますが、成分が変化したわけではなく、70℃程度に温めると液状に戻ります。
プロポリス
プロポリスは、ミツバチが樹木から集めてきた樹脂状のものにミツバチの唾液が作用してできたもので、強い殺菌消毒効果があります。これを巣の入り口に塗ることによって、内部が無菌状態に保たれるようです。
プロポリスの「プロ」は、守るという意味で、「ポリス」は都市の意味です。ミツバチは巣を守るためにプロポリスを使用します。
ヨーロッパでプロポリスは民間薬として使用され、古代エジプトではミイラの腐敗防止に、古代ギリシャでは皮膚疾患や感染症の治療にも使用されていました。
ヨーロッパをはじめとする諸外国に比べると、日本でのプロポリスの歴史は浅く、注目されるようになったのは、1985年に名古屋で開かれた国際養蜂会議で、感染症や関節炎に対する治療効果が発表されてからです。1991年には、日本癌学会で国立予防研究所の研究者らによって、プロポリスに抗がん物質が含まれていることが発表されました。
プロポリスの成分は、樹脂やミツ蝋、精油、花粉のほか、有機酸や脂肪酸、アミノ酸、ミネラル、ビタミンなどを含みます。効用は、抗菌や抗炎症、鎮痛、組織再生促進、酸化防止、血液浄化、免疫機能増強など多岐にわたり、糖尿病や胃腸の病気、循環器障害などにも効くとされています。
プロポリスには、液状や粒状、カプセル、ドリンク剤などの製品があります。やけどや皮膚炎の治療など外用にも用いられます。プロポリスの副作用は特にありません。
ローヤルゼリー
ローヤルゼリーは、滋養強壮の効果が期待される食品として知られています。本来ミツバチの女王バチの餌となるもので、若いはたらきバチの咽頭腺から分泌される白色の半流動体です。強い粘り気があり、ほのかに甘酸っぱい味です。
はたらきバチは、花々から花粉とミツを採取し、餌として食べますが、体内の酵素の働きでローヤルゼリーを合成します。
女王バチはミツバチの中で唯一生殖力を持っており、1日に2,000個近く、1年に数十万個もの卵を産むと言われています。寿命もはたらきバチの1~2カ月に対して3~4年で、その生命力は驚異的です。この秘密は餌にあると考えられています。
ハチミツと異なり、ローヤルゼリーの糖質は10%程度で、たんぱく質をはじめ、ビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸、銅、リン、亜鉛、鉄、カルシウムなどを含んでおり、老化防止や新陳代謝の促進、食欲不振の改善、神経症の改善など幅広い機能を持っていると考えられています。ローヤルゼリーには、現在わかっているだけでも60種類以上の成分が含まれており、まだ科学的に解明されていない成分もあります。
また、デセン酸はローヤルゼリーだけに含まれる特有の成分です。さまざまな健康効果がありますが、際立っているのは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることです。更年期に摂取すれば、女性ホルモンの減少から起こる自律神経失調症やイライラなどの不調が和らぐといわれています。さらに糖尿病治療などに使われるインスリンとよく似た働きをすします。糖代謝を高め、血糖値を下げると言われ、ほかにも悪玉コレステロールの抑制、抗菌作用が期待されています。デセン酸は、ローヤルゼリーの品質を決める成分でもあり「全国ローヤルゼリー公正取引協議会」が基準を設けています。
生のローヤルゼリーのほかにローヤルゼリー入りの食品やドリンク剤などがあります。生のローヤルゼリーはそのまま、あるいは飲み物や食べ物に加えて使用します。
まとめ
ハチミツは人類の誕生以前から存在したといわれ、人類最古の甘味料です。古代エジプトや中国でも、貴重な甘味料であると同時に薬効のある食品として用いられていました。ハチミツは、ミツバチのはたらきバチが集めた花のミツにハチの体内の酵素が作用し、熟成させたものです。人が食べる食品としてのハチミツは、これを低温でろ過したものです。花の種類によって、色や香り、成分が異なりますが、透き通った飴色で、自然で穏やかな甘味を有しています。ハチミツの主成分は果糖とぶどう糖で、どちらもこれ以上分解されない単糖のため、消化吸収が良く、胃腸に負担をかけずに疲労回復ができます。
プロポリスは、ミツバチが樹木から集めてきた樹脂状のものにミツバチの唾液が作用してできたもので、強い殺菌消毒効果があります。プロポリスの成分は、樹脂やミツ蝋、精油、花粉のほか、有機酸や脂肪酸、アミノ酸、ミネラル、ビタミンなどを含みます。効用は、抗菌や抗炎症、鎮痛、組織再生促進、酸化防止、血液浄化、免疫機能増強など多岐にわたり、糖尿病や胃腸の病気、循環器障害などにも効くとされています。
ローヤルゼリーは、滋養強壮の効果が期待される食品として知られています。本来ミツバチの女王バチの餌となるもので、若いはたらきバチの咽頭腺から分泌される白色の半流動体です。強い粘り気があり、ほのかに甘酸っぱい味です。ハチミツと異なり、ローヤルゼリーの糖質は10%程度で、たんぱく質をはじめ、ビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸、銅、リン、亜鉛、鉄、カルシウムなどを含んでおり、老化防止や新陳代謝の促進、食欲不振の改善、神経症の改善など幅広い機能を持っていると考えられています。また、デセン酸はローヤルゼリーだけに含まれる特有の成分です。さまざまな健康効果がありますが、際立っているのは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることです。更年期に摂取すれば、女性ホルモンの減少から起こる自律神経失調症やイライラなどの不調が和らぐといわれています。