【薬草】古くから知られる薬用植物の機能性

食品
この記事は約5分で読めます。

アロエ

 医者いらずと称されるアロエには、多くの種類があり、日本薬局方の医薬品用アロエはケープ・アロエ、日本で一般に栽培されているのはキダチアロエ、アメリカでサプリメントとして人気があるのはアロエ・ベラです。ケープ・アロエは、主に南アフリカから輸入され便秘薬として販売されています。

 健康に関係する食品としては、キダチアロエの粉末や抽出物を原材料とした錠剤、ドリンク剤などがあります。

 生のアロエを噛むと独特の苦みがあります。この成分がアロインとアロエエモジンで、胃液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にします。アロエを切ったときに出るネバネバの粘液には、アロエウルシンが含まれており、胃の潰瘍部分を覆うことで胃潰瘍の治療にも用いられています。血液凝固作用もあり、びらん性胃炎による胃壁からの出血を止めます。注目されている成分は、免疫機能を高めるアロミチンと抗菌作用があるアロエチンで、いずれもアロエ・ベラに含まれています。

 外用としては、ネバネバ成分のムチン質が肌に潤いを与え、アミノ酸や糖たんぱく質が肌を生き生きとさせます。

 アロエの種々の薬効は、いずれも即効性がありますが、それはアロエの成分の分子が小さく、粘膜からすぐに吸収されるからです。

 アロエは、体を冷やす作用と強い下痢の作用があるので、冷え症や体が衰弱しているときは使用を控えます。

高麗人参

 ウコギ科のオタネニンジンの根を乾燥させたものです。朝鮮人参ともいいます。中国では古くから五臓を補い、延命長寿に効果がある生薬として、最も珍重されてきました。

 日本には8世紀に渡来し、江戸時代には幕府がその栽培を奨励し、種子を諸藩に配布したことから、御種人参と敬称を付けて呼ばれました。

 医薬品として、また健康に関係する食品としてさまざまな形態に加工され、根強い人気があります。

 ジンセノサイドというサポニン配糖体、ビタミン、ミネラルなどを含め多数の有効成分が複合的に作用して、免疫機能を高め、肉体的及び精神的な疲労を補い、心身の活力を高めるものと考えられています。ちなみに日本薬局方に記載されている高麗人参の効能は、虚弱体質、肉体疲労、病中病後の体力回復です。また、動物実験でさまざまな有効性について、盛んに研究されています。

 用法としては、煎じて飲むことです。滋養強壮には1日1.5~5.0gが目安です。手軽なお茶や顆粒、ドリンク剤なども市販されています。なお、腎機能障害や高血圧でのめまいなどの症状があるときは、使用を控えます。

三七人参

 三七人参の根を乾燥させたものです。種をまいてから3~7年経たないと収穫できないことから、三七、田七、田七人参、田三七などと呼ばれています。

 高麗人参と同じウコギ科に属し、中国雲南省でしか採取できない特産品で、中国では不老長寿の秘薬として、珍重されてきました。多くの薬効によって、日本でも健康に関係する食品に使用されています。しかし、原材料の三七人参は中国からの輸入に頼っており、価格は高価です。

 数種のジンセノサイド、パナキシノール、β-シトステロール(サポニン配糖体)が血管を収縮して止血や痛み止めの作用を示します。また、中国での研究によると田七ケトンという成分が発見され、この成分が冠状動脈の血液量を増加させて心臓の負担を軽くし、コレステロールを減らす作用があることが報告されています。日本でも、その薬効についての研究が盛んに行われています。

 服用するときは、一般的に粉末1.5~3.0gをオブラートなどで包みます。煎じて飲む場合は、乾燥品3~9gが適量です。打撲やねんざなどによる内出血や痛み止めには、粉末3gをお湯に溶かして飲みます。また、外用としても血管を収縮させる作用があり、止血などに使用します。そのほかに抗菌作用もあります。なお、肝臓障害によって起こる吐血、鼻出血への使用は控えます。

まとめ

 医者いらずと称されるアロエには、多くの種類があり、日本薬局方の医薬品用アロエはケープ・アロエ、日本で一般に栽培されているのはキダチアロエ、アメリカでサプリメントとして人気があるのはアロエ・ベラです。生のアロエを噛むと独特の苦みがあり、この成分がアロインとアロエエモジンで、胃液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にします。アロエを切ったときに出るネバネバの粘液には、ムチン質が含まれ、肌に潤いを与えます。アロエ・ベラには、免疫機能を高めるアロミチンと抗菌作用があるアロエチンが含まれています。アロエの種々の薬効は、いずれも即効性がありますが、それはアロエの成分の分子が小さく、粘膜からすぐに吸収されるからです。

 高麗人参は、ウコギ科のオタネニンジンの根を乾燥させたものです。朝鮮人参ともいいます。ジンセノサイドというサポニン配糖体、ビタミン、ミネラルなどを含め多数の有効成分が複合的に作用して、免疫機能を高め、肉体的及び精神的な疲労を補い、心身の活力を高めるものと考えられています。ちなみに日本薬局方に記載されている高麗人参の効能は、虚弱体質、肉体疲労、病中病後の体力回復です。用法としては、煎じて飲むことです。滋養強壮には1日1.5~5.0gが目安です。

 三七人参は、種をまいてから3~7年経たないと収穫できないことから名付けられました。市販されている三七人参は、根を乾燥させたものです。高麗人参と同じウコギ科に属し、中国雲南省でしか採取できない特産品です。数種のジンセノサイド、パナキシノール、β-シトステロール(サポニン配糖体)が血管を収縮して止血や痛み止めの作用を示します。打撲やねんざなどによる内出血や痛み止めには、粉末3gをお湯に溶かして飲みます。また、外用としても血管を収縮させる作用があり、止血などに使用します。

タイトルとURLをコピーしました