【圧搾と抽出】植物由来の油の機能性

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アボカド油

 アボカドはアフリカ原産で、中米から北米にかけて栽培されている常緑高木です。果実を食用とし、「森のバター」などの別名をもっています。栄養豊富なスタミナ食として知られ、日本でもメキシコ、アメリカからの輸入品が1年を通して入手でき、価格も手ごろです。触ってみて弾力がある程度に熟したものが美味しいとされています。

 アボカドの果肉には、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています。また、脂肪分の含有量が27%前後と高く、アボカド油この脂肪分を抽出したものです。

 アボカドの脂質のうち約90%は、コレステロール低下作用をもつ不飽和脂肪酸で、オレイン酸が79%、リノール酸10%、ほかにリノレン酸も含まれます。オレイン酸は、オリーブオイルに多い成分で、酸化されにくいため、体内で有害な過酸化脂質となりにくい性質があります。ビタミンは、脂溶性のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、水溶性のビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸などが含まれています。ミネラルは、マグネシウムやカリウムなどです。

 アボカド油は、生のまま食用にされることが多いですが、加熱しても酸化されにくいので、加熱調理にも最適です。また、皮膚の細胞を湿潤させることから、化粧品などにも配合されています。なお、アボカド油はもちろん、生のアボカドも脂肪分を多く含むため、100gあたり191kcalと高カロリーです。

オリーブ油

 オリーブは、地中海沿岸地方原産の植物で、主に果実を塩漬けにして、食用とします。果実は品種によってさまざまで、1個1~15g程度のものまであり、未熟な果実は緑色ですが熟すと黒くなります。

 オリーブ油は、生の果実や核を圧搾してつくられ、ゴマ油と並んで世界最古の油と言われ、イタリア、スペイン、ギリシャ、ポルトガルなどで古くから生産され、出荷されています。日本でも少量ですが、地中海と気候の似ている香川県の小豆島で生産されています。

 品質の高い順にエクストラヴァージン、ヴァージン、ファイン、ピュアと呼称が定められています。日本で市販されているものは、エクストラヴァージンとピュアです。エクストラヴァージンに有効成分が多く含まれています。

 オリーブ油には不飽和脂肪酸となるオレイン酸が80%、ほかにリノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、スクワレンなどが含まれています。オレイン酸には、コレステロールの低下をはじめ、動脈硬化や心臓病の予防、胃酸分泌を調整するなどの効果が報告されています。スクワレンは、不飽和脂肪酸の一種で、細胞や皮膚の成長を促進する作用が期待されています。ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンEを含有しています。

 特有の香りがあるオリーブ油は、サラダなどの生食用、揚げ物や炒め物などの加熱調理などに幅広く使用されます。生食用には薄い緑色で香り高いエクストラヴァージンが、加熱調理にはピュアが向いています。髪や肌に塗る用法もあり、化粧品の原材料としても利用されています。

ゴマ油

 ゴマは、中国やインドなどアジア地域で古くから栽培されていました。食用とされる種子に油分を多く含むため、油の原材料としても長い歴史をもっており、中国料理や韓国料理には欠かせない油です。日本でも古くから使われていた油で、精進料理や江戸前の天ぷらなどに用いられ、特有の香りと風味が喜ばれてきました。

 ゴマ油の脂肪酸組成は、リノール酸45%、オレイン酸39%など不飽和脂肪酸が中心となります。不飽和脂肪酸は、血管に付着して動脈硬化の原因になるLDLコレステロールを減少させ、高血圧や心臓病を防ぐのに役立ちます。また、細胞や組織の代謝に関与するレシチンのほかにビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンを含みます。さらにゴマ油には、油の変質を防ぐセサミノールという抗酸化成分が豊富に含まれています。

シソ油

 シソ油は、シソの実を圧搾して取り出した油で、シソ特有の香りがあります。同じシソ科の植物であるエゴマも古くから油の原材料として用いられており、風味や成分は似ています。

 シソ油は、不飽和脂肪酸のリノレン酸を多く含んでいます。リノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の原材料となります。

 リノレン酸を多く含む油は酸化しやすく、加熱調理には向きません。サラダやマリネなどの油として使用します。保存は高温や光の当たる場所を避け、早めに使い切ります。

まとめ

 アボカドの果肉は、脂肪分の含有量が27%前後と高く、アボカド油この脂肪分を抽出したものです。アボカド油は、生のまま食用にされることが多いですが、加熱しても酸化されにくいので、加熱調理にも最適です。アボカドの脂質のうち約90%は、コレステロール低下作用をもつ不飽和脂肪酸で、オレイン酸が79%、リノール酸10%、ほかにリノレン酸も含まれます。オレイン酸は、オリーブオイルに多い成分で、酸化されにくいため、体内で有害な過酸化脂質となりにくい性質があります。

 オリーブ油は、生の果実や核を圧搾してつくられ、ゴマ油と並んで世界最古の油と言われています。品質の高い順にエクストラヴァージン、ヴァージン、ファイン、ピュアと呼称が定められています。オリーブ油には不飽和脂肪酸となるオレイン酸が80%、ほかにリノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、スクワレンなどが含まれています。オレイン酸には、コレステロールの低下をはじめ、動脈硬化や心臓病の予防、胃酸分泌を調整するなどの効果が報告されています。

 ゴマ油は、中国料理や韓国料理には欠かせない油で、日本でも古くから精進料理や江戸前の天ぷらなどに用いられ、特有の香りと風味が喜ばれてきました。ゴマ油の脂肪酸組成は、リノール酸45%、オレイン酸39%など不飽和脂肪酸が中心となります。不飽和脂肪酸は、血管に付着して動脈硬化の原因になるLDLコレステロールを減少させ、高血圧や心臓病を防ぐのに役立ちます。ゴマ油には、油の変質を防ぐセサミノールという抗酸化成分が豊富に含まれています。

 シソ油は、シソの実を圧搾して取り出した油で、シソ特有の香りがあります。不飽和脂肪酸のリノレン酸を多く含んでいます。リノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の原材料となります。

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