【昔は輸出世界一】日本産フカヒレとフカヒレスープ

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世界3大スープのフカヒレスープ

 世界3大スープは、中国のフカヒレスープ、タイのトムヤムクン、フランスのブイヤベースといわれています。

 中華料理を代表するスープがフカヒレスープです。フカヒレを鶏がらスープで戻し、とろみをつけたスープで食べます。ゼラチン質が豊富なフカヒレの食感は、ほかの世界3大スープにはありません。中国では結婚式や宴会などの特別な機会に、あるいは豪華な贈答品として提供されています。フカヒレスープは、何世紀も前の宋もしくは明の時代に始まり、宮廷の人々に提供されていました。中国の所得水準が高まるにつれて、フカヒレスープは非常に人気の高いメニューとなっています。

 トムヤムクンは、唐辛子とハーブの風味、魚貝類のうま味を凝縮させた、辛味と酸味の強いタイのスープです。「トム 」は煮る、「ヤム 」は混ぜる、「クン 」はエビの意味です。タイで最も辛いプリッキーヌという唐辛子の辛さとイネ科の植物のレモングラス、柑橘系の強い香りを持つコブミカン、ショウガ科で清々しい芳香と爽やかな風味のガランカルーなどのハーブの酸味、魚醤のナンプラーやエビ由来のうま味が複雑なスープの味を作り出し、美味しさはタイの気候にマッチしています。

 ブイヤベースはフランスの港町マルセイユ発祥の漁師料理です。数種類の白身魚やエビ、貝などをトマトやジャガイモ、ニンニク、白ワインを入れて煮込み、サフランやフェンネル、ローズマリー、ディル、パセリなどのハーブで香りを付けます。魚介類の濃厚なスープが特徴です。マルセイユにはブイヤベース憲章なるものが存在し、同憲章によるとブイヤベースには、カサゴやホウボウ、オコゼ、マトウダイ、クモエビ、アンコウ、アナゴなどの魚介類を4種類使用しなければならないとあります。また、ブイヤベースは、いったん魚介類を鍋から出し、スープと別の皿に盛りつけ、テーブルに運ぶようです。つまり、スープを先に供して風味を楽しませ、テーブルで切り分けることで目を楽しませてくれます。

フカヒレ

 近年ではシンガポールやインドネシアでの生産量が多くなっていますが、以前は日本が世界一のフカヒレ輸出国であり、香港などへ出荷していました。日本のフカヒレの漁獲量が多い理由のひとつは、遠洋マグロはえ縄漁業が盛んなことに起因しています。遠洋に出かけ、マグロを狙う網にサメがしばしばかかります。そのときにたいていの場合、乗組員たちはサメのヒレだけを切り取って、残りは海に捨ててしまうようです。海に捨ててしまうのは、サメの肉がマグロに比べると、ただ同然の価格にしかならないためです。マグロ漁にとってサメはいわゆる外道で、ただ同然のサメの肉を冷凍庫に入れて、はるばる日本まで持ち帰っても、採算が合いません。

 さらにせっかくかかったマグロにサメが食いつき、傷物にしてしまう可能性もあります。また、甲板に上げると暴れてとても危険です。

 もちろんヒレだけ切り取るのは、中華料理の高級食材として、高値で売れるからです。このヒレによる収入は、いわばマグロ漁の乗組員の臨時収入です。切り取って船上で乾燥させた後、日本に持ち帰って、あるいは海外の寄港地でフカヒレ業者に売られることになります。

 日本のフカヒレの輸出量が減ったのは、日本国内で消費されるフカヒレの量が増えたこととマグロ漁の乗組員に外国人が増え、下船地で売りさばくため、日本の港まで持ち帰るフカヒレの量が減少したことが原因です。

 もうひとつの理由として、宮城県の気仙沼市は日本有数のサメの水揚げ量を誇ります。世界3大漁場のひとつとなる三陸沖漁場があり、多種多様な魚が水揚げされています。

 特にサメは日本有数の水揚げを誇る港町として知られており、日本一の水揚げを誇るサメは、国内で水揚げされる90%以上が気仙沼で水揚げされており、フカヒレ生産日本一のまちとして、全国でその名が知られています。

 気仙沼港に水揚げされる主なサメは、ヨシキリザメとネズミザメです。ヨシキリザメは、全体の約80%、ネズミザメが約15%でこの2種が水揚げ量のほとんどを占めます。気仙沼に多くのサメが水揚げされる理由は、近海マグロはえ縄漁が盛んで、そのマグロを追って来るサメが混獲されるからです。

 サメのヒレはフカヒレ、皮は革製品、肉は練り製品、骨は健康食品、内臓からとれる脂は肝油などいろいろな製品に使用されています。残った部位は飼料や肥料として活用されています。

まとめ

 世界3大スープは、中国のフカヒレスープ、タイのトムヤムクン、フランスのブイヤベースといわれています。

 中華料理を代表するスープがフカヒレスープです。フカヒレを鶏がらスープで戻し、とろみをつけたスープで食べます。ゼラチン質が豊富なフカヒレの食感は、ほかの世界3大スープにはありません。

 以前は日本が世界一のフカヒレ輸出国であり、香港などへ出荷していました。日本のフカヒレの漁獲量が多い理由のひとつは、マグロはえ縄漁業が盛んなことに起因しています。

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