地鶏とは
季節になるとスーパーの棚にレトルトのスタンディングパウチの鍋の素が、ずらりと並びます。どれにしようか悩みながら、買い物を楽しんでいる消費者の行動を後ろから眺めている加工食品メーカーのマーケティング担当者や製品開発担当者もいます。自社の製品を手にとってもらえないかとドキドキしながら。
さて、ここ最近は、消費者にも認知度が高まり、加工食品メーカーも味とうたい文句で差別化を図るため、鍋の素の原材料に地鶏を採用し、たいへんな人気となってります。ただ、地鶏と一般的な鶏(ブロイラー)と何が違うのかわからないという方々や味はかわらないと思われている方々がいるのも事実です。そこで、地鶏と一般的な鶏、さらには銘柄鶏について、改めておさらいします。
地鶏の定義は、日本農林規格により決められています。規格によると在来種由来の血統が50%以上で出生証明ができること、ふ化日より75日間以上飼育していること、ふ化後28日目以降は鶏舎の中また外で鶏が床や地面を自由に動けるようにして飼育すること、そしてふ化後28日以降は1平方メートル当たり10羽以下の環境で飼育していることです。ここでの在来種とは、明治時代までに国内に土着した在来種で38種となります。この在来種の血統が50%以上入っていることで、地鶏と名乗ることができます。有名なところでは薩摩地鶏や名古屋コーチン比内地鶏などです。一般的な鶏と比べると調達価格は上昇しますが、長期間飼育しているため、肉質がしまり、歯ごたえがあって、味も濃厚です。スープにするとコクがあり、うま味が後を引き、断然美味しいので、残すのがもったいないほどです。
一般的な鶏とは
食用専用種として改良された鶏です。若鶏やブロイラーとも呼ばれ、スーパーでよく見かけるリーズナブルで一般的な鶏です。ふ化日より飼育期間 50日程度で、出荷されます。飼育期間が短いため、地鶏と比べ肉質は柔らかくなりますが、どんな調理にも適しています。
また、一般的な鶏の飼育方法で、餌や飼育期間に生産者が特長を凝らしたものが銘柄鶏です。ただし、明確な定義は存在せず、さまざまな銘柄鶏があります。フランスの赤鶏と国産の白鶏を掛け合わせた岩手県の南部どりや専用の飼料を与えた鳥取県の大山どり、飼料に海藻類を配合した宮崎県の日向鶏などが銘柄鶏となります。
まとめ
地鶏は、日本農林規格の定義に基づき、長期間飼育しているため、肉質がしまり、歯ごたえがあって、味も濃厚です。スープにするとコクがあり、うま味が後を引き、加工食品の原材料として、差別化をするにはもってこいです。しかし、国内での地鶏の生産量は極めて少なく、価格も高いので、使用するには制限があります。
また、食用専用種として改良された一般的な鶏は、若鶏やブロイラーとも呼ばれ、スーパーでよく見かけるリーズナブルで一般的な鶏です。地鶏と比べ肉質は柔らかくなりますが、どんな調理にも適しています。
特別の日には、地鶏の肉と地鶏を使った鍋の素などの加工食品を組み合わせて、ぜひ味わってもらいたいところです。味は格別です。