人はなぜ笑うのでしょうか?
古くから多くの研究者が、解明に向け取り組んできましたが、その答えは未だに完全に明らかになってはいません。動物の中で笑うのは人だけです。
家族や友人で食卓を囲み、自分や身内の失敗談、短所などは笑い話になりやすく、なにか失敗したりや嫌なことがあっても、時がたてば笑い話です。意識して周りの出来事を観察すれば、日常生活の中にも意外なほどネタはたくさん見つかり、思わず笑ってしまいます。
この笑いが、人の健康に様々なプラスの影響を及ぼすことが、テレビや雑誌などでとりあげられています。笑いが心や体に良いということは医学的に実証されつつあり、最近では病気の予防や治療においても注目を浴びています。
笑いの健康への影響
若くて健康な人の体にも、1日3000~5000個ものがん細胞が発生しています。これらのがん細胞やウイルスを攻撃しているのが、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)です。笑うことで、免疫のコントロール機能をつかさどっている間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが活発に生産されます。神経ペプチドは、血液やリンパ液を通じて体中に流れ出し、NK細胞の表面に付着し、NK細胞を活性化します。その結果、がん細胞やウイルスを次々と攻撃するので、免疫力が高まります。悲しみやストレスなどマイナスの情報を受け取ると、NK細胞の働きは鈍くなり免疫力もダウンします。
笑うと免疫力が高まるだけでなく、脳の働きが活性化すること、血行が促進されること、脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌され、この物質により幸福感につつまれます。
また、笑いは、体の病気だけでなく心の病気の予防、改善にも効果があります。笑うことによって、心身の安定や安らぎに関与する副交感神経が優位になり、人の精神面に多大な効果を与えるセロトニンという物質が分泌され、心身の安定を得ることができます。
まとめ
人がなぜ笑うかについては、未だ完全に解明されておりません。しかし、笑いには生活習慣病の予防、もしくは改善に対して多大な効果があります。健康の維持や円滑なコミュニケーションのためにも、笑いを積極的に取り入れてみるとよいのではないでしょうか。
食品メーカーとしても、笑いを提供できるような場や製品の開発に心血を注ぎたいところです。