【危険】食欲不振と摂食障害

　美味しそうな料理を目の前にしても食べられない、何も食べたくないのはどうしてでしょうか。食事が進まない症状は、食べたい気持ちはあるけれども食べられないという状態や食べたい気持ちがあまりないという状態で、特に食べたい気持ちがあまりない場合は、食欲低下、食欲減退、食欲不振などのようにいう場合があります。

　数日以上にわたり、食事が進まない症状が続く場合は、何らかの病気によるものである可能性が高くなります。食事が十分にとれない状態が続くことで、体に悪影響をおよぼす可能性も出てきます。また、心理的なストレスが長く続いたり、葛藤が解決されないままでいたりすると、心身症としてほかの体のいろいろな症状とともに現れてくることもあります。

　食事が進まない症状が何日も続く場合や減らそうとしているわけではないにもかかわらず体重が減ってきた場合は、原因を調べるために、医療機関を受診します。食事が進まない症状には、いろいろな原因が考えられます。診察を受けても原因となるような身体疾患が見つからない場合や身体疾患だけでは説明がつかない場合、食事が進まない以外に気持ちの落ち込みなどがあるときには、精神疾患の可能性も考えられますので、精神科を受診します。

　摂食障害には、食事をほとんどとらなくなってしまう拒食症、極端に大量に食べてしまう過食症があります。拒食症では、食事量が減る、低カロリーのものしか食べないことから体重が極端に減るといった症状があります。過食症は、いったん食べ始めるとやめられない、食べては吐く、食べすぎたことを後悔し、憂うつになるなどの症状がみられます。

　こうした極端な摂食行動の異常が現れるのは、太りたくない、やせたいという体重への極端なこだわり、自分は太っている、自分には価値がないという思いこみなどの心理的背景があります。しかも、やせたいという強い思いがあるため、当人はなかなか治療したがりません。しかし、低栄養からさまざまな体の不調につながり、死に至ることもある病気なので、治療の重要性を伝えることが必要です。摂食障害は、さまざまなストレスが要因となっていることも多く、周囲の人の理解やサポートがとても大切です。

　拒食症かもしれないと感じたら、まず体重をはかりましょう。標準体重の80%以下は、やせすぎです。この体重が何ヶ月も続いている場合、拒食症の可能性があります。

食欲不振
食欲不振のときの対処
摂食障害
摂食障害の対処
まとめ

食欲不振

　美味しそうな料理を目の前にしても食べられない、何も食べたくないのはどうしてでしょうか。

　食事が進まない症状は、食べたい気持ちはあるけれども食べられないという状態や食べたい気持ちがあまりないという状態で、特に食べたい気持ちがあまりない場合は、食欲低下、食欲減退、食欲不振などのようにいう場合があります。

　とても疲れていたので食事が進まなかった、悲しいことがあって食事が進まなかったというような一時的な出来事は、多くの人が経験し、あまり問題にはなりません。しかし、数日以上にわたり、食事が進まない症状が続く場合は、何らかの病気によるものである可能性が高くなります。食事が十分にとれない状態が続くことで、体に悪影響をおよぼす可能性も出てきます。

　食事が進まない症状になる原因には、さまざまなものがあります。食道や胃、腸のように直接食べたものが通る場所の病気だけでなく、肝臓や膵臓などの消化器の病気、慢性腎不全など腎臓の病気、甲状腺機能低下症などのホルモンの病気、糖尿病、さまざまな感染症など、体のあらゆる部位の病気によって、食事が進まない症状になることがあります。

　また、心理的なストレスが長く続いたり、葛藤が解決されないままでいたりすると、心身症としてほかの体のいろいろな症状とともに現れてくることもあります。ほかに統合失調症　アルコールや薬物依存、認知症などの精神疾患でもこのような症状がみられることがあります。摂食障害でも食事が進まない症状がみられます。摂食障害の場合、少しでも体重が増えることに恐怖を感じて食べることができないなど、単に食欲がない状態とは異なる症状です。

食欲不振のときの対処

　食事が進まない症状が何日も続く場合や減らそうとしているわけではないにもかかわらず体重が減ってきた場合は、原因を調べるために、医療機関を受診します。食事が進まない症状には、いろいろな原因が考えられます。

　診察を受けても原因となるような身体疾患が見つからない場合や身体疾患だけでは説明がつかない場合、食事が進まない以外に気持ちの落ち込みなどがあるときには、精神疾患の可能性も考えられますので、精神科を受診します。

　原因がわかったら、それぞれの原因に対する治療を行います。原因によっては、少しでも多くの栄養素をとれるように、食事の内容や量を工夫するなど、日常生活で行える対処方法もあります。

摂食障害

　病的な拒食、あるいは過食がありますか。摂食障害には、食事をほとんどとらなくなってしまう拒食症、極端に大量に食べてしまう過食症があります。

　少しくらいの拒食や過食は、多くの人が経験します。悲しい出来事で食欲がなくなる、トレス解消でつい食べ過ぎるといった経験をした人は少なくありません。ところが、こうした食行動の異常が過度になって、極端に体重が減少しても拒食がやめられない、過食の後に食べたものを全部吐くこと、下剤を使って体重増加を避けようとするという行為がみられるようになると、これは治療を要する摂食障害の疑いが濃くなります。

　拒食症では、食事量が減る、低カロリーのものしか食べないことから体重が極端に減るといった症状があります。過食症は、いったん食べ始めるとやめられない、食べては吐く、食べすぎたことを後悔し、憂うつになるなどの症状がみられます。拒食症から、過食症になることもあります。

　こうした極端な摂食行動の異常が現れるのは、太りたくない、やせたいという体重への極端なこだわり、自分は太っている、自分には価値がないという思いこみなどの心理的背景があります。特に若い女性の場合は、やせていることが美しいという社会的価値観も影響します。また、子どもの頃に両親の仲が悪かった、親や周囲の人間から体重や体型のことをみっともないと言われたという経験も摂食障害の引き金になります。

　しかも、やせたいという強い思いがあるため、当人はなかなか治療したがりません。しかし、低栄養からさまざまな体の不調につながり、死に至ることもある病気なので、治療の重要性を伝えることが必要です。摂食障害は、さまざまなストレスが要因となっていることも多く、周囲の人の理解やサポートがとても大切です。

　拒食症は10代で発症する人が多く、過食症は20代に多い傾向があります。両方とも90%が女性です。

　摂食障害は、食事制限の失敗というような単純なものではなく、そのままにしていると心身共に病み疲れて、死に至ることもあります。特に拒食症の場合、標準体重の60%以下までやせてしまうと、低栄養による腎不全や低血糖など重い合併症を起こしやすくなります。また、アルコールや薬物への依存、抑うつ、怒りっぽい、人格障害などの精神疾患を合併しやすく、万引きや自傷行為など衝動的な行動が多くなります。

　拒食症かもしれないと感じたら、まず体重をはかりましょう。標準体重の80%以下は、やせすぎです。この体重が何ヶ月も続いている場合、拒食症の可能性があります。健康でやせている人は、標準体重の80%以下になることはまずありません。