肥満は、多くの病気をまねく要因となります。肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームにも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、これらの生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけ、もろくし、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因となります。
人の体は、主に水分、筋肉、体脂肪で構成されています。このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵し、内臓を保護するなど生命活動に欠かせない役割を果たしています。ところが、体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。それは基礎代謝、すなわち生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギーが減少するからです。基礎代謝のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉です。
体脂肪には、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と内臓のまわりに付く内臓脂肪があります。内臓周辺に蓄積する脂肪は、代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。また、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。さらに脂肪細胞からは、血圧を上昇させる物質が分泌されます。その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどを招きやすくなります。
肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。自身の食生活を見直し、肥満につながることを回避します。
食事は、腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。また、ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。
内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、軽めのジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。10分程度のウォーキングを1日3回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。
多くの病気の要因となる肥満
肥満は、多くの病気をまねく要因となります。体内では、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、体を支える力が弱くなっていきます。そこに肥満が加わると、骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。
さらに肥満は、高尿酸血症から痛風を招き、脂肪肝、すい炎を促進し、突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームにも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、これらの生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけ、もろくし、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因となります。
日本人は小太りの人が多く、欧米人のような超肥満の人はあまりいません。日本人の場合、もともとインスリンの分泌能力が低いため、少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすく、それ以上は太れないからです。それだけに日本人は、肥満には特に気をつける必要があります。
肥満と体脂肪
肥満というと、体重や体型のことばかりを気にしがちです。生活習慣病との関連でいえば、肥満とは体脂肪が必要以上に増えた状態のことです。
人の体は、主に水分、筋肉、体脂肪で構成されています。このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵し、内臓を保護するなど生命活動に欠かせない役割を果たしています。ところが、体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。それは基礎代謝、すなわち生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギーが減少するからです。基礎代謝のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉です。加齢とともに筋肉は減る上、中年になるにつれ運動をしない人が増えることから、ほとんどの人は筋肉量が減少します。それに気づかず、若い頃と同じように食事をしていると、慢性的な食べすぎや飲みすぎの状態からカロリー過多となり、それが体脂肪となって蓄積されます。若い頃と体重があまり変わらない人でも、実は筋肉量が落ち、代わりに体脂肪が増え、見かけの体重だけが同じということも少なくありません。
また、仕事の忙しさなどから、食事を抜くなど不規則な食生活をしていると、体が危機感を持ち、食事から得たエネルギーを脂肪として蓄えようとします。それも体脂肪が増える理由のひとつです。
体脂肪には、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と内臓のまわりに付く内臓脂肪があります。皮下脂肪は、二の腕、お尻、太もも、下腹などに付きやすく、生活習慣病との直接的な関係は低いとされますが、皮下脂肪が多くなると内臓を圧迫し、さまざまな弊害をもたらすことがあります。 腸管などの内臓の周辺に脂肪が付くと、お腹のあたりが出てきます。やせ型や普通体型の人でも、ウエストが太くなったら要注意です。30歳以上の男性に多くみられ、生活習慣病に関係が深い脂肪です。体脂肪の中でも、この内臓脂肪が多い肥満こそが、生活習慣病にもっとも悪影響を及ぼします。
内臓周辺に蓄積する脂肪は、代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。また、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。さらに脂肪細胞からは、血圧を上昇させる物質が分泌されます。その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどを招きやすくなります。つまり、内臓脂肪型肥満は、さまざまな生活習慣病の原因となります。
体脂肪率(%)は、体重に占める体脂肪の割合です。一般的に健康的とされる体脂肪率の目安は、男性で10〜19%、女性で20〜29%です。体脂肪率がそれ以上になると、肥満ということになります。体脂肪率は、家庭用の体重体組成計で簡単に測定することができます。
肥満を防ぐ方法
肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。自身の食生活を見直し、肥満につながることを回避します。
食事は、腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。野菜、大豆製品、きのこ類、海藻などは低カロリーで、食物繊維が多く腹持ちするので、内臓脂肪を増やさない最適の食材です。また、食物繊維には、脂質や糖質の吸収をさまたげる働きもあります。
早食いをすると、満腹感を感じる前にたくさん食べてしまいがちです。血糖値を急上昇させ、余分な脂肪分の蓄積を促すことにもなります。ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。
皮下脂肪とくらべると、内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります。毎日の生活に適度の運動をとり入れて、脂肪の付きにくいからだをつくります。
脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、軽めのジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。運動の時間がとれない場合は、10分程度のウォーキングを1日3回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。
筋肉量が増えると、基礎代謝が多くなり、エネルギー消費量も増えます。それだけ脂肪が付きにくい体をつくることができます。ウォーキングの前後で、軽い屈伸運動や腕立て伏せなどをとり入れるなどして、有酸素運動と筋肉運動を適度に組み合わせます。
まとめ
肥満は、多くの病気をまねく要因となります。肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームにも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、これらの生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけ、もろくし、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因となります。
人の体は、主に水分、筋肉、体脂肪で構成されています。このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵し、内臓を保護するなど生命活動に欠かせない役割を果たしています。ところが、体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。それは基礎代謝、すなわち生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギーが減少するからです。基礎代謝のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉です。
体脂肪には、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と内臓のまわりに付く内臓脂肪があります。内臓周辺に蓄積する脂肪は、代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。また、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。さらに脂肪細胞からは、血圧を上昇させる物質が分泌されます。その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどを招きやすくなります。
肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。自身の食生活を見直し、肥満につながることを回避します。
食事は、腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。また、ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。
内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、軽めのジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。10分程度のウォーキングを1日3回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。