【糖とたんぱく質の複合体】プロテオグリカン

食品の成分
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 プロテオグリカン(Proteoglycan)は、特殊な構造をもつ糖とたんぱく質の複合体で、複合糖質の1種です。

 プロテオグリカンには、多数のグリコサミノグリカンと呼ばれる糖が含まれています。この糖は水となじみやすいため、スポンジのように多量の水を保持することができます。プロテオグリカンに含まれるたんぱく質は、分子の中にヒアルロン酸結合をもっているため、保水力を持つほか、衝撃を吸収する機能を有しています。肌に弾力を与えるほか、関節の軟骨で衝撃を吸収する役割を果たします。

 プロテオグリカンには、美肌効果が期待できるEGF(上皮細胞増殖成長因子)に似た作用があります。EGFとは、細胞の成長や増殖を促してくれる因子のことです。EGFは、年齢とともに減少するため、細胞の再生機能が低下してしまいます。また、プロテオグリカンには、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促す作用があり、ヒアルロン酸に匹敵するほどの保水効果があることが、明らかになっています。さらにプロテオグリカンには、変形性関節症の症状を緩和する効果があります。プロテオグリカンは、軟骨の構成成分の1種で、高い保水力から軟骨が持つ曲げ伸ばしや衝撃を吸収するクッション機能といった重要な働きを果たしています。

 プロテオグリカンを多く含む食品としては、魚の軟骨、牛の軟骨、鶏の軟骨などがあげられます。

プロテオグリカン

 プロテオグリカン(Proteoglycan)は、特殊な構造をもつ糖とたんぱく質の複合体で、複合糖質の1種です。プロテオはプロテイン、すなわちたんぱく質、グリカンは多糖類を意味します。

 プロテオグリカンは、動物に特有の成分であるグリコサミノグリカン(多糖類)とたんぱく質が結合したものを指し、グリコサミノグリカンとしてはヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などがあります。脳、臓器、皮膚をはじめとした体全体の組織中の細胞外マトリックスや細胞表面に存在するほか、軟骨の主成分としても存在しています。

 動物のプロテオグリカンは、コラーゲンやヒアルロン酸とマトリックスをつくることで、身体組織や皮膚組織を維持しています。ほかにも組織形成や伝達物質としての役割、組織維持修復に関係しています。組織の細胞外マトリックス成分となるヒアルロン酸は、細胞膜で合成され、プロテオグリカンはゴルジ体内で合成されます。細胞外に放出されたコラーゲンやヒアルロン酸、プロテオグリカンは会合構造をとることで組織を維持します。

 プロテオグリカンは、19世紀末に発見されました。このとき発見されたプロテオグリカンは、数種類ある中のアグリカンという分子です。発見された当初は、牛から抽出したプロテオグリカンが使われていましたが、牛由来のものは抽出できる量が少ないため、とても高価でした。最近では、研究によりサケの鼻軟骨から安全で比較的安価な抽出技術が確立され、さまざまな効果が研究により報告されています。

プロテオグリカンの主な性質と種類

 プロテオグリカンには、多数のグリコサミノグリカンと呼ばれる糖が含まれています。この糖は水となじみやすいため、スポンジのように多量の水を保持することができます。

 また、プロテオグリカンに含まれるたんぱく質は、分子の中にヒアルロン酸結合をもっているため、保水力を持つほか、衝撃を吸収する機能を有しています。肌に弾力を与えるほか、関節の軟骨で衝撃を吸収する役割を果たします。

 プロテオグリカンには、たんぱく質の違いや結合するグリコサミノグリカンの違いにより、いくつかの種類があります。

 アグリカンは、プロテオグリカンの最も代表的な種類で、動物の体内に存在するプロテオグリカンの大半を占めます。主に関節軟骨に存在し、軟骨の重要な役割である外部からの衝撃の吸収作用を担っています。

 パールカンは、細胞と各組織との結合面、界面を構成する基底膜に存在しています。

 ヴァーシカンは、皮膚にある真皮層に存在しています。

プロテオグリカンに期待される効果

 プロテオグリカンには、美肌効果が期待できるEGF(上皮細胞増殖成長因子)に似た作用があります。EGFとは、細胞の成長や増殖を促してくれる因子のことです。EGFは、年齢とともに減少するため、細胞の再生機能が低下してしまいます。

 その結果、肌のターンオーバーを遅らせてしまうため、肌の老化の原因となります。プロテオグリカンには、このEGFに似た働きがあるということが研究によって報告されています。

 また、プロテオグリカンにはヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促す作用があります。さらに、ヒアルロン酸に匹敵するほどの保水効果があることが、明らかになっています。プロテオグリカンは、ヒアルロン酸に比べ、べたつきがなくサラッとした肌触りで、高い保湿力を持っているため、化粧品の成分としての利用に注目が集まっています。

 プロテオグリカンには、変形性関節症の症状を緩和する効果があります。プロテオグリカンは、軟骨の構成成分の1種で、高い保水力から軟骨が持つ曲げ伸ばしや衝撃を吸収するクッション機能といった重要な働きを果たしています。

 変形性関節症は、関節の軟骨がすり減ることで骨と骨の間が狭くなり、直接ぶつかることで痛みや腫れが起こる病気です。プロテオグリカンは、軟骨の元となる細胞を増殖させ、増殖させた軟骨の元になる細胞が早く軟骨を形成するように促してくれる作用があります。この働きにより、軟骨の再生や減少の予防をすることができ、変形性関節症の症状を緩和する効果が期待できます。

 プロテオグリカンには、炎症を抑制する効果が期待できます。プロテオグリカンには炎症を抑える性質をもつサイトカインの働きを促してくれます。この働きで炎症を抑制し、特に大腸炎などの病気に対する予防効果が期待できます。

 さらにプロテオグリカンは、体重の軽減や血糖値の上昇を抑制する働きがあります。

 プロテオグリカンを多く含む食品としては、魚の軟骨、牛の軟骨、鶏の軟骨などがあげられます。

まとめ

 プロテオグリカン(Proteoglycan)は、特殊な構造をもつ糖とたんぱく質の複合体で、複合糖質の1種です。

 プロテオグリカンには、多数のグリコサミノグリカンと呼ばれる糖が含まれています。この糖は水となじみやすいため、スポンジのように多量の水を保持することができます。プロテオグリカンに含まれるたんぱく質は、分子の中にヒアルロン酸結合をもっているため、保水力を持つほか、衝撃を吸収する機能を有しています。肌に弾力を与えるほか、関節の軟骨で衝撃を吸収する役割を果たします。

 プロテオグリカンには、美肌効果が期待できるEGF(上皮細胞増殖成長因子)に似た作用があります。EGFとは、細胞の成長や増殖を促してくれる因子のことです。EGFは、年齢とともに減少するため、細胞の再生機能が低下してしまいます。また、プロテオグリカンには、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促す作用があり、ヒアルロン酸に匹敵するほどの保水効果があることが、明らかになっています。さらにプロテオグリカンには、変形性関節症の症状を緩和する効果があります。プロテオグリカンは、軟骨の構成成分の1種で、高い保水力から軟骨が持つ曲げ伸ばしや衝撃を吸収するクッション機能といった重要な働きを果たしています。

 プロテオグリカンを多く含む食品としては、魚の軟骨、牛の軟骨、鶏の軟骨などがあげられます。

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