【好き嫌いあり】台湾に香るハーブとスパイス

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台湾で出会う香り

 台湾に出張するとなると必ず屋台が並ぶ夜市に足を運びます。歩いているだけも楽しい夜市の屋台には、さまざまな料理が並び食欲が刺激される香りが立ち込めています。この香りの由来のひとつは、特徴的なスパイスやハーブです。

台湾で特徴的なハーブとスパイス3選

香菜(シャンツァイ)

 台湾料理でもよく使われるハーブの香菜(シャンツァイ)は、地中海東部原産とされるセリ科の一年草で、タイではパクチーと呼ばれます。香菜は主に生の状態を指し、乾燥させた実はスパイスのコリアンダーです。

 香菜はとてもクセある強い香りをもち、好き嫌いがはっきりとわかれますが、台湾やタイにおいては、食欲増進や消化促進のほか、栄養価も評価され、さまざまな料理に使用されています。ビタミン類は豊富で、肌の健康維持に役立つβ-カロテンや活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンE、高い抗酸化作用に加え、皮膚のコラーゲンの合成に必要となるビタミンCなどを含んでいます。また、香菜の香気成分ゲラニオールは、バラに似た芳香で、抗菌作用や防虫効果が報告されています。

 台湾では、肉料理や魚料理をはじめ、めん類、スープ類、更にはデザートにも用いられています。

 台湾で食べるグルメで外せないのが、鶏肉飯(ジーローハン)です。白いご飯の上に柔らかく炊いた鶏の胸肉をほぐしてのせ、その上から鶏のダシや豚の脂などのタレをかけたシンプルなメニューです。新鮮な鶏のうま味とタレの風味だけで味の良し悪しが決まるというシンプルながらも奥が深い一品です。この鶏肉飯(ジーローハン)に香菜が添えられていることもあります。

八角

 八角は、中国南部からベトナム北東部原産のトウシキミという常緑高木の果実を乾燥させたものです。8個の袋果が星状に配置されているところから名づけられました。

 独特の香りから、好き嫌いが大きく分かれるスパイスです。香りの主成分は、ウイキョウやアニスと同じアネトールで、肉や魚の生臭さを消す効果があり、ほのかな甘さや苦みのある風味が特徴です。台湾でも人気が高く、中国杭州の名物料理でもある東坡肉(トンポーロー)をはじめ、北京ダックにもアクセントとして用いられます。

 台湾の中でも屋台が並ぶ夜市で、訪れたら一度は食べておきたい料理は、魯肉飯(ルーローハン)です。魯肉飯(ルーローハン)は、豚肉を刻んでショウガやにんにく、八角などのスパイスとともに甘辛く煮込んだ肉そぼろを煮汁とともにご飯にかけた逸品です。こってりとした豚の脂と甘辛い煮汁が染み込んだご飯の美味しさは、一度食べたら忘れられません。店によって、使用する豚肉の部位に特徴があり、バラ肉中心の濃厚な風味から、赤身中心の淡泊であっさりした風味などさまざまです。ご飯にかける煮汁は、つゆだくもあれば、わずかにご飯に絡む程度とバリエーション豊かです。 しかも、とてもリーズナブルです。

 また、ご飯の上に揚げた排骨(骨付きばら肉)をのせた排骨飯(パイコーハン)にも、八角は使用されています。

馬告(マーガオ)

 台湾原住民族のタイヤル族は、主に台湾中北部山間部に居住し、台湾原住民族のなかで最も分布範囲が広い部族です。人口はおおよそ9万人です。

 タイヤル族の男性は勇敢で狩猟に長け、女性は布織りの技術が優れていることで有名です。以前は、成人となった証に入れ墨を男女共に顔に彫る風習があり、タイヤル族の伝統的な考えからすると、顔面に入れ墨が彫られていないことは、非常に恥ずかしいことだとされていました。入れ墨を彫る痛みに耐えることができた者こそが、成人という証であったからです。

 このタイヤル族が、古来より長らく愛用してきたスパイスが、馬告(マーガオ)です。見た目は黒胡椒にそっくりで、山椒のようにピリッとした刺激のある辛味とかすかな苦味があり、強烈なレモングラスの香りを放ちます。

 一度味わうとやみつきになり、近年台湾ではさまざまな料理に使われ人気が高まっています。生育条件が限られており、一粒一粒人の手によって収穫されるため、希少性の高い香辛料です。

 馬告(マーガオ)は、抗菌作用や抗炎症作用 、鎮痛作用のあるシトラール、抗菌作用や免疫機能の向上 、睡眠導入効果のあるリモネン、抗菌作用や防虫効果のあるゲラニオールという成分を含んでいます。

 肉料理や魚料理をはじめ、パスタ、ピザ、ラーメン、サラダなどさまざまな料理に合う万能なスパイスです。

まとめ

 歩いているだけも楽しい台湾の夜市の屋台には、さまざまな料理が並び食欲が刺激される香りが立ち込めています。この香りの由来のひとつは、特徴的なスパイスやハーブです。

 台湾料理でよく使われるハーブの香菜(シャンツァイ)は、とてもクセある強い香りをもち、好き嫌いがはっきりとわかれますが、台湾やタイにおいては、食欲増進や消化促進のほか、栄養価も評価され、肉料理や魚料理をはじめ、めん類、スープ類、更にはデザートにも用いられています。

 八角も独特の香りから、好き嫌いが大きく分かれるスパイスです。肉や魚の生臭さを消す効果があり、ほのかな甘さや苦みがあります。屋台で一番人気の魯肉魯肉飯(ルーローハン)や排骨飯(パイコーハン)に使われています。

 馬告(マーガオ)は、見た目は黒胡椒にそっくりで、山椒のようにピリッとした刺激のある辛味とかすかな苦味があり、強烈なレモングラスの香りを放ちます。近年台湾ではさまざまな料理に使われ人気が高まっています。生育条件が限られており、一粒一粒人の手によって収穫されるため、希少性の高い香辛料です。肉料理や魚料理をはじめ、パスタ、ピザ、ラーメン、サラダなどさまざまな料理に合う万能なスパイスです。

 台湾に訪れた際は、香菜(シャンツァイ)や八角、馬告(マーガオ)を使用した料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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