【味の虜】老若男女を魅了して止まない「棒」の正体

食品の開発
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 棒状の食べ物といったら何を連想しますか。ある調査によると棒状の食べ物ランキングの1位はロールケーキ、2位うまい棒、3位フランクフルト、4位チュロス、5位エクレアとのことです。

 駄菓子に絞り込めば、1位は「うまい棒」です。これほど美味い棒は、世界広しといえども見当たりません。

 うまい棒が美味い理由は、豊富なラインアップで人が好むあらゆる嗜好をカバーしていること、抜群の価格設定で選ぶ楽しさを提供していること、パッケージが面白いことです。豊富なラインアップを揃えるために、味にこだわった開発が繰り返されます。大切なことは、1本だけ食べてもらうのではなく、1本食べ終わったあとにもう1本食べてもらえる味かどうかです。10円のうまい棒は、子供たちが自分で選んで自分で買えるもの、100円のスナックを買うよりも、うまい棒を10本買った方が楽しいと思えるものをコンセプトとしています。パッケージにはオリジナルキャラクターが描かれ、子供たちが親しみやすく、覚えてもらいやすい工夫を施しています。

棒状の駄菓子の魅力

 棒状の食べ物といったら何を連想しますか。ある調査によると棒状の食べ物ランキングの1位はロールケーキ、2位うまい棒、3位フランクフルト、4位チュロス、5位エクレアとのことです。

 駄菓子に絞り込めば、1位は「うまい棒」です。これほど美味い棒は、世界広しといえども見当たりません。うまい棒を見かけると、すぐに唾液腺から唾液が分泌され、走っているだけで楽しかったあの頃の懐かしさがこみ上げてきます。既に何本食べたのかわからないくらい食べています。うまい棒は、全国の老若男女をとりこにしてやまない、まさに駄菓子の王様です。

 また、駄菓子は人の心を和ませることだけでなく、その活躍の場を広げ、老人ホームなどでも利用されています。アメリカの精神科医が提唱した、回想法という療法によると、子供の頃のことを思い出し、楽しい時間を過ごすことで、認知症などの予防や治療に役立つとのことです。

 うまい棒をはじめ、キャベツ太郎、蒲焼さん太郎など時代を越えて親しまれている駄菓子の企画から販売までを手掛けているのは、株式会社やおきんです。やおきんは、美味しい駄菓子が大好きな子供たちの夢を一身に背負った製品を、いつも変わらずに子供たちへ届けてくれています。

 うまい棒が発売以来10円という抜群な価格を維持できているのは、さまざまな企業努力のたまものです。製造ラインをフル回転させるために製品のラインアップを拡充し、原材料や包装資材は、大量発注によりコストを抑えています。

 品質管理には手間とコストを惜しみません。味にこだわり、割れにくく、口に入れたときのサクサクとした食感を大切にし、湿気などから風味の劣化を防ぐためにアルミ蒸着フィルムを使っています。

うまい棒の美味い理由

 うまい棒は、なぜあんなに美味いのでしょうか。その理由を探ってみました。

・豊富なラインアップで、人が好むあらゆる嗜好をカバー

 何味のうまい棒がお好みでしょうか。人気のベスト3は、めんたい味、チーズ味、コーンポタージュ味です。子供に限るとコーンポタージュ味が人気ナンバーワンとなります。

 うまい棒は、現在23のラインアップがあります。毎年1~2種類の製品が加わりますが、反応があまりよくなければ、1年以内に終売となることもあります。当初はこれほどたくさんの種類を販売する予定ではありませんでした。うまい棒が発売された当初は、売上の波が激しく、一時的に人気が出た製品が下火になると、当然製造ラインが稼働しません。この製造ラインをなんとか稼働させるためにも、そしてあらゆる嗜好に応えるためにも、さまざまな製品を開発しました。製造ラインをフル稼働させ、たくさんつくることで、価格を据え置くことにもつながりました。

 また、この開発から、牛タン塩味やシュガーラスク味、さとうきび味など個性的な味がたくさん生まれました。このようなアイデアは、短期的で終わってしまう製品にならないように、味にこだわった開発が繰り返されます。大切なことは、1本だけ食べてもらうのではなく、1本食べ終わったあとにもう1本食べてもらえる味かどうかです。

・抜群の価格設定で選ぶ楽しさを提供

 10円のうまい棒は、子供たちが自分で選んで自分で買えるもの、100円のスナックを買うよりも、うまい棒を10本買った方が楽しいと思えるものをコンセプトとして誕生しました。

 発売からおおよそ40年を経て、原材料のとうもろこしの値上がりにも、内容量を調整することで乗り越え、10円を守り続けています。そのために原材料メーカーや資材メーカーとも協力して、原材料を多く調達することでコストダウンを図り、フィルムや段ボールなどの資材は大量生産を可能にすることでコストの対策に取り組みました。。

 一方、味や品質を向上できるポイントがあれば、むしろコストをかけることもあります。うまい棒には真中に穴が空いています。この穴を空けるにはコストがかかりますが、穴を空けることで食感がよくなります。このことは割れにくさにもつながり、結果として不良品が少なくなることで、コストダウンに寄与しました。

 包装には、アルミ蒸着フィルムを採用し、湿気などから品質の劣化を防いでいます。以前よりもコストはかかりますが、賞味期限が伸びることから長期的には利点となります。

・パッケージの面白さ

 うまい棒は、味や品質のみならず、パッケージもこだわっています。

 パッケージは、基本的に派手な色使いで、楽しそうなイラストが入っています。これは、遠足で駄菓子をみんなで騒ぎながら食べることを想定し、楽しさを演出しています。そして、うまい棒はその一番でありたいというやおきんの願いが込められています。

 レトロなイラストは、細部を変更するなどリニューアルが施されていますが、ロゴマークとキャラクターは、多くの世代にうまい棒を認識してほしいということから、発売以来ほとんど変わっていません。

 さらにパッケージには、オリジナルキャラクターが描かれています。このことは、子供たちに親しみやすく思ってもらい、覚えてもらいやすくするためです。うまい棒のパッケージに描かれている「うまえもん」は、ラインアップが増えても継続してパッケージに登場し続けたので、かなり印象づけられています。うまえもんのプロフィールによると、妹のうまみちゃんに甘くて、ついなんでも言うことを聞いてあげてしまい、ちょっと振り回されているとのことです。めちゃくちゃモテるイケメンの設定で、ガチャピン並みになんでもでき、ある時はサッカー選手、ある時はサーカスで一輪車に乗りながら綱渡り、ある時は武将などなれないものはありません。趣味はコスプレで、誕生日は1978年9月13日です。

うまい棒の認知度を向上させた流通とキャラクター

 もともと駄菓子屋で売られている駄菓子であったことから、積極的な広告展開は行われませんでした。しかし、流通経路が駄菓子屋からスーパーやコンビニへと広がったことをきっかけに、多くの人が知る人気駄菓子へと成長しました。

 認知度が徐々に高まるにつれ、うまい棒のキャラクターを使用した製品やうまい棒自体をパロディとして扱った製品が多数発売されました。それに伴い、積極的なプロモーションをおこなわずとも、人気はますます深まりました。

 また、継続的に新しい味を出し続けることで、子供たちを中心にいつの間にか新しい味を楽しみに待つようになるという独特のコミュニケーションが図られ、認知度の向上に寄与したことも、付け加えておきます。

まとめ

 棒状の食べ物といったら何を連想しますか。ある調査によると棒状の食べ物ランキングの1位はロールケーキ、2位うまい棒、3位フランクフルト、4位チュロス、5位エクレアとのことです。

 駄菓子に絞り込めば、1位は「うまい棒」です。これほど美味い棒は、世界広しといえども見当たりません。

 うまい棒が美味い理由は、豊富なラインアップで人が好むあらゆる嗜好をカバーしていること、抜群の価格設定で選ぶ楽しさを提供していること、パッケージが面白いことです。豊富なラインアップを揃えるために、味にこだわった開発が繰り返されます。大切なことは、1本だけ食べてもらうのではなく、1本食べ終わったあとにもう1本食べてもらえる味かどうかです。10円のうまい棒は、子供たちが自分で選んで自分で買えるもの、100円のスナックを買うよりも、うまい棒を10本買った方が楽しいと思えるものをコンセプトとしています。パッケージにはオリジナルキャラクターが描かれ、子供たちが親しみやすく、覚えてもらいやすい工夫を施しています。

 うまい棒の認知度の向上には、流通経路が駄菓子屋からスーパーやコンビニへと広がったこととキャラクターのうまえもんの活躍によるものです。

 小腹がすいたら、間食として目の前のコンビニでも買えるうまい棒はいかがでしょうか。1本では止まらないかもしれません。

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