世界3大美女
クレオパトラ7世は、古代エジプトのプトレマイオス朝最後のファラオ(王)であり、「絶世の美女」として知られ、人をそらさない魅力的な話術と、小鳥のような美しい声であったと伝えられています。
しかし、歴史家プルタルコスは、クレオパトラ7世を、複数言語に通じた知的な女性と伝えており、容貌については比類なきものではなく、見る人をはっとさせるものでもないと評しています。たしかに魅力的な女性ではあったが、雰囲気や優雅で穏やかな話術、美しい声からくるものであったといわれています。美の基準は、評価する人物や時代背景などによっても異なりますが、少なくともプルタルコスの評価では、特段美しいというわけではなかったようです。クレオパトラ7世に惚れ込んだカエサルも、頭の良さと美しい声を讃えていますが、容姿については語っていません。彼女の声の良さについては「まるで楽器のようだ」と絶賛しています。
楊貴妃は、中国唐代玄宗皇帝の皇妃です。玄宗皇帝が寵愛しすぎたために、安禄山との史思明らによる安史の乱を引き起こしたと伝えられたため、傾国の美女と呼ばれます。壁画などから、実際は豊満な女性であったようです。また、琵琶を初めとした音楽や舞踊に多大な才能を有していたことでも知られています。
小野小町は、平安時代前期9世紀頃の女流歌人です。歌風はその情熱的な恋愛感情が反映され、柔軟艶麗と評されています。古今和歌集において、紀貫之は小野小町の作風を、万葉集の頃の清純さを保ちながら、なよやかな王朝浪漫性を漂わせているとして絶賛しています。
小野小町の詳しい系譜は不明で、当時の小野小町像とされる絵や彫像は現存せず、後世に描かれた絵でも後姿が大半を占め、素顔が描かれていません。当時は教養や立ち振る舞いが美しさの基準であり、歌風からも美しさが感じられます。
世界3大美女の魅力の源泉となる食事
クレオパトラ7世の好きなものは、モロヘイヤと伝えられているようです。モロヘイヤは、紀元前から中近東で栽培されており、アラビア語で王様の食べる野菜という意味です。モロヘイヤは、若葉を食用とし、刻んだりゆでたりすると特有の粘りを呈します。 カルシウム、カロテン、ビタミンB、ビタミンC、食物繊維などが豊富な緑黄色野菜で、抗酸化作用のある成分も多く含んでいます。栄養価が極めて高いことから、野菜の王様の異名を持っています。
楊貴妃はライチを好み、中国の南部から都の長安まで早馬で運ばせたことがエピソードとして残っております。ライチは硬い皮に覆われていますが、皮をむくと白色半透明で非常になめらかな柔らかい果肉が現れます。上品な香りをもち、甘みと酸味のバランスは絶妙で、とてもジューシーな果実です。
ライチ は100gあたり、レモン1個分の1.8倍となる36mgのビタミンCを含んでいます。 なお、日本食品標準成分表によるよ、レモン果汁100gあたりビタミンCの含有量は50mgとされ、レモン1個分あたりに換算するとビタミンCはおおよそ20mgとなります。
小野小町が食していたものは、平安時代中期の作品とされる玉造小町壮衰書の中に記録が残っています。ウズラやカモ、キジ、鯉などの動物性たんぱく質を多く含む食材、麦飯、山芋、ハチミツを摂取していたようです。
まとめ
世界3大美女といわれるクレオパトラ7世、楊貴妃、小野小町が絶世の美人であったかどうかは、評価する人物や時代背景などに大きく左右されます。ただ、3人とも知性を備え、話術や楽器、歌の才能が突出していた魅力的な女性ではあったことだけは確かです。
この3人の魅力の源泉となった、あるいは支えていた食事は、その地域で採れる名産品であり、現代においても私たちの食卓を彩っています。世界3大美女といっても食事に特別なことはしていないようです。