世界3大珍味とは
加工食品メーカーに在籍すると仕事で美味しいものを食べ歩く機会に恵まれます。世界3大珍味であるキャビア、フォアグラ、トリュフを使った製品の開発となると、市場調査の名のもと名だたる名店に足を運びます。キャビアやフォアグラ、トリュフを食べ、どのようなレシピを開発するかを検討します。ヒレステーキにフォワグラとトリュフのソテーを添えたロッシーニ風ステーキが有名で、結婚式でも良く見受けられます。試食を繰り返す中で見えてきたことは、加工食品に相性の良い素材は、トリュフであることです。原材料の調達から、応用できるメニューに幅があるからです。キャビアは塩漬けされた缶詰のものをそのままオードブルで使用しますし、フォアグラも冷凍品などを使い料理として提供することが多いからです。
キャビアは、チョウザメの卵です。チョウザメは、サケと同様に川をさかのぼり、淡水に産卵します。長寿でも知られ、寿命は100年以上とも言われます。チョウザメは主に、ロシアとイランにまたがるカスピ海に生息しています。キャビアは、チョウザメの種類とその卵の粒の大きさによって価値が変動します。
フォアグラは、ガチョウやカモの肝臓です。ガチョウやカモに必要以上にエサをたくさん与え、肝臓に脂肪が蓄積した状態、すなわち脂肪肝を人工的に作り出します。濃厚で口どけの良い風味は主に脂肪によるものです。
トリュフは、きのこの仲間で最大の特徴が香りです。白トリュフの香りは刺激が強く、パスタやサラダなどの上に削って振りかけて提供されます。黒トリュフの香りは刺激が少なく、マッシュルームにも似た雰囲気で、香りはすぐに広がります。天然のトリュフを探すときは、鋭敏な嗅覚を持っているブタやイヌを用います。本場はフランスのプロヴァンス地方となりますが、アジアでも発見されており、今では中国の雲南省が世界一の黒トリュフの生産国となり、主にヨーロッパへ輸出されています。加工食品で使用する場合も、中国雲南省産を使用します。
加工食品メーカーで使用する世界3大珍味の事例
加工食品メーカーでは、主にトリュフを使用し、芳醇な香りを活かしたメニュー開発を行います。代表的な事例としは、トリュフオイルやトリュフ塩、トリュフバター、トリュフ風味のパスタソース、トリュフチーズなどです。
トリュフオイルは、植物性の油脂にスライスしたトリュフを漬け込み、高級感のある香りを閉じ込めたオイルです。家庭でも容易に作ることができます。
また、トリュフ風味の加工食品には、コストや経時変化をカバーするため、特長となる香気成分を合成したトリュフの香料を併用することもあります。加工食品メーカーとしては、リーズナブルな価格で、トリュフの香りを楽しんでもらいたいからです。
まとめ
世界3大珍味であるキャビア、フォアグラ、トリュフを食べる機会は、普段それほど多くはないかもしれません。キャビアのオードブルやヒレステーキにフォワグラとトリュフのソテーを添えたロッシーニ風ステーキは、特別なイベントにお目にかかる絶品料理です。
加工食品メーカーとしては、原材料の安定供給が可能なトリュフを使用し、トリュフオイルやトリュフ風味のパスタソースを提供することで、食文化の発展に寄与していきたいと考えています。機会があれば、ぜひトリュフ風味の製品を手に取ってみてはいかがでしょうか。